オートミールは身体にとても良い、筋トレしてる人は食べるべき
身体に良い食材には様々なものがありますが、主食として活用できるものはほとんどありません。
普段から食べている米やパンなどは、これといった栄養素があまり含まれておらず、糖質ばかりが多いので健康的な食品だとは言えません。
しかし、主食を減らすと腹持ちが悪くなるので、ストレスを感じてしまうこともあります。
そこで大きな威力を発揮するのが、今回ご紹介する「オートミール」という食材です。
ちなみに僕は後で紹介するオートミールにヨーグルト、それにはちみつ、レーズンをかけて食べています。
オートミールはアメリカやヨーロッパで主食として親しまれていて、身体に良い栄養素が豊富に含まれている健康食品としても有名です。
オートミールは糖質が少ないだけではなく、タンパク質やミネラルを豊富に含んでいます。
さらに、オートミールには悪玉コレステロールを減らして心臓病を予防する効果があるので、毎日の食事で活用すると健康的な生活を送れるようになります。
そこで今回は、健康に様々なメリットのある素晴らしい食材オートミールについて、詳しく解説していきます。
Contents
オートミールとは
オートミールとは、イネ科の燕麦を脱穀して調理しやすいように加工した食品です。
水や牛乳などで煮て朝食のシリアルとして用いることが一般的ですが、全粒穀物であるため栄養価が豊富で、健康食品としても注目されています。
オートミールは低カロリーで栄養価が高い理想的な健康食品
燕麦はイネ科カラスムギ属に分類される一年草で、春に発芽してその年のうちに結実を終えて枯れる、小麦や米のような植物です。
燕麦は栄養価が高いため、これを原料とした食品も健康に良いと人気を集めています。
燕麦に含まれる水溶性食物繊維の大半は「βグルカン」と呼ばれるものですが、βグルカンには血中コレステロールや血糖値の上昇を抑制する効果が多数報告されています。
さらに、燕麦は小麦や米と比べてタンパク質や脂質が多く含まれており、これを原料とするオートミールは胚芽など糠(ぬか)部分が無精製で含まれています。
全粒穀物であるオートミールは、他の穀物と比べて栄養素が豊富であることが大きな特徴です。
その一方で、糖質の割合が他の穀物と比べて少ないのでカロリーが低く、健康食品としてのオートミールの価値を高めています。
オートミールは乾燥状態から軽く煮るだけで粥状になって食べられるようになるので、温かい水や牛乳もしくは豆乳で煮て食べることが一般的です。
その他にも、菓子の材料としてケーキやクッキーなどの生地に混ぜ込んで、お菓子として楽しむこともあります。
手軽に活用できて栄養価も高いオートミールは、欧米諸国では広く活用されていますが、残念ながら日本ではまだまだ馴染みが薄い食材です。
オートミールは栄養価が高く調理が容易なところが大きな魅力ですが、その一方で手に入れにくいのが難点でもあります。
地方ではオートミール自体が全く知られていないので、試してみたくてもまず買えないのが現状です。
業務用スーパーであればオートミールを安く買えることもありますが、そういった店がない場合はアマゾンで探してみると良いでしょう。
オートミール100gあたりには次のような栄養素が含まれているので、機会があれば是非とも試してみましょう。
- カロリー…380kcal
- 炭水化物…69.1g
- タンパク質…13.7g
- 脂質…5.7g
- 食物繊維…9.4g
- ビタミンB1…0.20mg(17%)
- ビタミンB2…0.08mg(7%)
- ビタミンB6…0.11mg(8%)
- ナイアシン…1.1mg(7%)
- パントテン酸…1.29mg(26%)
- 葉酸…30μg(8%)
- ビオチン…21.7μg(43%)
- ビタミンE…0.6mg(4%)
- ナトリウム…3mg(0%)
- カリウム…260mg(6%)
- カルシウム…47mg(5%)
- マグネシウム…100mg(28%)
- リン…370mg(53%)
- 鉄分…3.9mg(30%)
- 亜鉛…2.1mg(22%)
- 銅…0.28mg(14%)
- セレン…18μg(26%)
参考サイト:「オートミール(Wikipedia)」
オートミールは血中コレステロールや血糖値を下げる効果がある
前述したように、燕麦由来のβグルカンに血中コレステロール濃度や血糖値を低減する作用があることは、様々な研究報告によって証明されています。
それだけではなく、血圧低下や免疫機能の向上、心臓病発症リスクの低減など、オートミールは他の穀物とは比べものにならないほど、健康増進に効果的な食品であることが明らかになっています。
オートミールはアメリカやヨーロッパでは朝食のメニューとして広く親しまれていますが、健康意識の高いアメリカでは栄養価の低い小麦の代替食品としても活用されています。
1997年にFDA(アメリカ食品医薬品局)が、オートミールを含む食品に「心臓病のリスクを低減する効果がある」という表示を許可すると、オートミールは健康食品としてさらに注目されるようになりました。
オートミールの一種である「ロールドオーツ」は、燕麦を蒸した後にローラーで潰して押麦状にしたものですが、食物繊維を多く含むため血糖値を安定させる作用があります。
そのため、激しいウエイトトレーニングを行う筋トレ愛好家にも人気があり、ボディビルダーはプロテインをオートミールに混ぜて飲むことも少なくありません。
オートミールにもいくつかの種類があるが、いずれも栄養価が高い
北欧や東欧のようなヨーロッパの寒冷な地域では、土地が痩せていて栄養価の高い食品を作ることが難しいため、古くからオートミールが主食とされてきました。
スコットランドも寒冷な気候で日照時間も短いため、小麦よりも燕麦の栽培に適しており、スコットランド人は栄養価の高い燕麦を積極的に食べてきました。
オートミールは地域によって多様な種類のものがありますが、最も広く親しまれているアメリカでは次のような種類に分けられます。
- ロールド(Rolled)
- インスタント(Instant)
- スティールカット(Steel-cut)
ロールドは燕麦を蒸した後にローラーで潰して押麦状にしたもので、最も基本的なオートミールの形式です。
インスタントはお湯を注ぐだけで粥状にできるように、ロールドをさらに蒸して小型化してあり、果物の風味やビタミン類を添加した製品も販売されています。
スティールカットは、これまでのように燕麦を平らにするのではなく、小さい塊になるようにスライスして加工したもので、玄米に近い全粒穀物になっています。
前述したように、燕麦は穀物類の中で最も豊富なタンパク質やミネラルを含んでいますが、グルテンを形成しにくいため小麦のようにパンの材料にすることはあまりありません。
インスタント・オートミールはお湯を注ぐだけで食べることができるので、朝食のシリアルとして最適です。
パンやクッキー、ケーキなどの生地に混ぜ込むと、間食でも手軽に栄養価の高い燕麦を食べることができます。
オートミールは健康面でのメリットが非常に大きい
オートミールはアメリカやヨーロッパで主食として親しまれているイネ科の食物で、燕麦(えんばく)を脱穀して加工した全粒穀物です。
栄養価が最も高い穀物として有名ですが、一般的にはあまり知られていない優れた点も数多くあります。
オートミールには次のような素晴らしいメリットがあるので、健康増進のため是非とも活用していきたい食品です。
悪玉コレステロールを減らす効果
オートミールの水溶性食物繊維に多く含まれる「βグルカン」には、血中コレステロールや血糖値を下げる作用があるのは前述したとおりです。
実際に様々な研究によって実証されており、FDA(アメリカ食品医薬品局)もその効果を認めています。
2014年にWhitehead氏らが発表した研究報告では、1966年1月1日から2013年6月6日までに発表された研究結果をまとめて、統計的にデータの傾向を解析する信頼性の高いメタアナリシスを発表しました。
その結果、1日あたり3g以上のオートミール由来βグルカンを摂取すると、血中の低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを減らすことができると明らかになりました。
具体的には、LDLコレステロール値が平均で0.25mmol/L・総コレステロール値が0.30mmol/L下がります。
ただし、オートミールには中性脂肪を減らす作用や、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールを増やす効果はありません。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれており、心血管疾患の原因である動脈硬化症の最も大きな原因なので、これを減らせるだけでも心臓病の予防に十分な効果があると言えるでしょう。
ちなみに、オートミール100gあたりに含まれている水溶性食物繊維は約3.2gで、その大半にはβグルカンが含まれています。
したがって、オートミールを1日100gほど食べることで、LDLコレステロールを減らして心血管疾患を予防できると考えられます。
亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれている
オートミールは低糖質かつ高タンパクであることも大きな魅力ですが、それ以外にミネラルが豊富に含まれていることも特徴的です。
日本ではミネラルというとカルシウムばかりが注目されていますが、実はカルシウムは単体では身体にほとんど吸収されないばかりか、摂取量が多すぎると高血圧や心血管疾患の原因になることが分かっています。
それよりも注目すべきなのは、オートミールにはマグネシウムや亜鉛といったミネラルが豊富に含まれていることです。
オートミール100gあたりには、マグネシウムが100mg・亜鉛が2.1mgも含まれており、それは1日の摂取目安量の28%・22%に相当します。
マグネシウムはカルシウムより遙かに大切なミネラルで、骨の強度や筋肉の稼働性を高めたり、腸管や神経系の働きを調整したりします。
さらに、近年の研究報告ではマグネシウムがテストステロンのレベルや睡眠の質を高めることが示唆されているため、筋トレ愛好家が特に注目すべきミネラルなのです。
亜鉛は別名「セックスミネラル」とも呼ばれているほど、男性の健康に欠かせない栄養素です。
亜鉛はアルギニンやシトルリンと共に、いわゆる精力増強サプリメントやバイアグラなどの薬品に含まれており、このことからも男性機能の向上に効果的であることが分かります。
そもそもなぜ亜鉛が男性の元気を高めるのかというと、亜鉛にはテストステロンの分泌量を高める働きがあるからです。
テストステロンは筋トレ愛好家に欠かせないホルモンなので、オートミールはバルクアップにも効果的だと言えます。
近年の日本人の食事は、マグネシウムと亜鉛がどちらも不足していることが指摘されており、これが骨格や性機能を軟弱にしている原因なのではないかと考えられます。
特に、マグネシウムは血中でカルシウムと拮抗して血圧を下げたり、カルシウムと協同して骨の強度を高めたりするので、高齢者ほど意識的に摂取すべきミネラルです。
オートミールにはこれら2つのミネラルが豊富に含まれているので、ぜひとも米やパンの代わりに取り入れたい食品です。
マグネシウム含有量がカルシウムより多いので心疾患予防に理想的
前述したように、カルシウムの摂取量が多すぎると健康に悪影響があるので注意が必要です。
牛乳やサプリメントなどでカルシウムばかり摂取していると、体内のミネラルバランスを調整するために大量のマグネシウムが消費されるため、体内のマグネシウムが不足してしまうことがあります。
マグネシウムは筋肉の収縮や胃腸の機能を整えるために欠かせない物質なので、不足すると筋肉が痙攣したり胃腸の調子が乱れたりします。
また、マグネシウムには筋肉をリラックスさせる効果があるため、摂取すると睡眠の質が高まると考えられています。
激しいウエイトトレーニングを行っていると眠れなくなってしまうことがありますが、これは筋肉の激しい動作によって体内のマグネシウムが不足することが原因です。
アメリカにおける20世紀初頭のカルシウム摂取量は1日550〜650mg・マグネシウム摂取量は1日450〜500mgで、カルシウムとマグネシウムの摂取量比は多くても1.5:1に収まっていました。
この時代のアメリカ人は、高血圧や心血管疾患の罹患率が非常に少なかったことが分かっています。
ところが、1990年代後半になるとカルシウムとマグネシウムの摂取量比は3:1以上と大幅にバランスが悪くなり、高血圧や心血管疾患の罹患率も明らかに高まっています。
これは日本でも同様で、1990年以前はやはり摂取量比が1.5:1に収まっていましたが、2010年にはなんと2.16:1までバランスが悪化しています。
つまり、現代人はカルシウム不足には程遠く、むしろカルシウム過多でマグネシウムの摂取量が少なすぎる傾向にあるのです。
カルシウムとマグネシウムは摂取量自体よりもバランスが重要で、両者の摂取量比が2以下の場合は高血圧や心血管疾患のリスクが低く、1.5以下に抑えることが理想的だと考えられています。
オートミールには100gあたりで、カルシウムが47mgに対しマグネシウムが100mg含まれているので、まさに理想的なバランスであると言えます。
参考:日本人のカルシウムとマグネシウムの食事摂取比率は2より低く、1.5〜1が望ましい
低カロリー高タンパクなのでダイエットや減量に効果的
オートミールは100gあたりのカロリーが380kcalもあるので、食べ過ぎると太ってしまうように思われます。
実際に、同じ100gあたりのカロリー量は白米が356kcal・食パンが260kcalなので、オートミールのカロリーの高さが際立っています。
しかし、オートミールは水分でふやかして食べるものなので実際に食べる量は100gより少ないことが多く、むしろ白米や食パンより低カロリーになります。
注目すべき点は、オートミールは炭水化物が米やパンよりも少なく、タンパク質の含有量が2倍近くあるということです。
米やパンの問題点は炭水化物が多くてタンパク質が少ないことなので、タンパク質の摂取量が重要な筋トレ愛好家にとっては、オートミールのこういった栄養バランスが特に魅力的に見えます。
米やパンの代わりにオートミールを食べるようにすることで、健康的なバルクアップを目指すことができるのです。
それだけではなく、オートミールには食物繊維が10g近くも含まれており、これは米やパンの5〜10倍に相当します。
食物繊維が多い食品は腹持ちが良いため、低糖質と相まってダイエットや減量期の心強い味方になります。
オートミールは単に健康的な食材だというだけでなく、バルクアップから減量まで実に幅広く活用できる心強い味方なのです。
血糖値の上昇が緩やかな低GI食品なので米やパンの代替に最適
オートミールが健康に良いと言われている理由は、単に多様な栄養素を豊富に含んでいるだけではなく、GI値が米やパンより大幅に低いからです。
GI値とは「グリセミック・インデックス」の略で、食品を摂取したときの血糖値の上がりやすさを示す指標です。
血糖値の急激な上昇が繰り返されると動脈硬化や肥満の原因になるため、健康的な食生活を送るためには低GI食品の優先的な摂取が望まれます。
一般的に、GI値が70以上のものを高GI食品・56〜69を中GI食品、55以下は低GI食品としています。
白米のGIは84・食パンは91なのでかなりGI値の高い食品ですが、オートミールはなんと55なので穀物としては異例の低GI食品です。
つまり、白米や食パンをオートミールに置き換えることで、簡単に低GIな食事を作ることができるのです。
ダイエットやボディビルの減量期では、炭水化物の摂取量を減らす糖質制限を行うことが一般的です。
さらに、単に糖質制限を行うだけではなくGI値の低い食品を優先的に食べることで、糖質制限の効果をさらに高めることができます。
オートミールは炭水化物が少なく低GI値であるうえに、タンパク質の含有量が多いので筋肉量の減少を防ぎやすく、まさにダイエットや減量に最適な食材なのです。
短時間で調理して幅広いメニューに活用することができる
前述したように、オートミールはお湯を注いで粥状にして食べることが一般的で、アメリカでは特に朝食のメニューとして活用されています。
冷たい牛乳をかけて作るコーンフレークとは全く違いますが、実はオートミールはシリアル食品のひとつとして分類されます。
また、冒頭で解説したようにオートミールは3種類ありますが、どれを選んでも栄養価はほとんど同じで健康的な食品です。
オートミールはシリアルと同じで調理が簡単なことも魅力のひとつで、米の代わりに主食とする場合は大きな威力を発揮します。
米は食べられるようになるまで1時間ほど掛かりますが、オートミールはお湯で煮るか電子レンジで温めるだけで食べられるようになるので、忙しいときでもすぐに食事の準備ができます。
ただし、スチールカットのオートミールは事前に処理されていないので、米と同じくらいの調理時間が掛かってしまいます。
オートミール自体は麦の一種なので、米のような深い味わいがあるわけではなく、糠部分がそのまま含まれている全粒穀物であるため、むしろ麦独特の味や匂いが気になるかもしれません。
そういった場合は、温かい牛乳で煮ると甘みが出てシリアルのようになり、味噌汁やスープなどに入れても違った風味を楽しむことができます。
前述したように、ケーキやクッキーなどに混ぜ込んで焼いても食べられるので、オートミールは意外と幅広く活用することができるのです。
オートミールはリンの含有量の多さや消化の悪さがデメリット
オートミールは、低糖質で高タンパク質かつ様々な栄養素を含んでいるだけではなく、カルシウムとマグネシウムのバランスも良いので極めて理想的な食品です。
さらに、LDL(悪玉)コレステロールを減らすことが科学的な調査からも明らかになっているため、まさに健康増進に最適な食品だと言えます。
しかしながら、オートミールには次のようなデメリットもあるので、摂取する際はあらかじめ留意しておく必要があります。
リンの含有量が多いため、加工食品の摂取量を減らす必要がある
オートミールは様々な栄養素を豊富に含む素晴らしい食材なのですが、リンの含有量が多いことは問題点として挙げられます。
実は、オートミールには100gあたりでリンが370mgも含まれており、これは1日の摂取目安量の53%に相当します。
リンの問題点は摂取量が多すぎると、体内のミネラルバランスが乱れて健康に悪影響が出てしまうことです。
リンはカルシウムと結合して、骨や歯の材料や細胞を作り出す元になるので、身体の機能を維持するためには欠かせないミネラルです。
リンは肉類や魚介類、乳製品や大豆食品などに含まれているため、偏りのない食生活を送っていればリンとカルシウムをバランス良く摂取できます。
ところが、近年ではインスタント食品や加工食品などに依存することが増えているため、リンの過剰摂取が問題になっています。
リンの摂取量が多すぎるとカルシウムの吸収が妨げられて、骨密度が低下する原因になってしまいます。
その他にも、副甲状腺機能が低下してホルモンバランスが乱れたり、体内のミネラルバランスの調整で腎臓に負担が掛かってしまったりします。
オートミールにも多量のリンが含まれているため、頻繁に食べる場合は加工食品や清涼飲料水の摂取量を減らすなど、リンの摂取量を抑えるための工夫が必要になります。
参考:リンの働きと1日の摂取量
食物繊維が多く消化が悪いため、腸疾患がある場合は摂取量に要注意
前述したように、オートミールには米やパンとは比べものにならないほど多くの食物繊維が含まれています。
食物繊維が多いと腹持ちが良くなるため、ダイエットの際には心強い味方になります。
ところが、腹持ちの良さは言い換えると消化に時間が掛かるということでもあるので、腸への負担が大きくなることを意味します。
大腸の疾患を患っている場合は、食物繊維の多い食品は摂取量を控えるべきだと言われています。
例えば、サツマイモやコンニャクのような食品は食物繊維が多く、消化の時間が長くて腸に負担が掛かるため好ましくありません。
オートミールにも非常に多くの食物繊維が含まれているため、腸の疾患がある場合は事前に医師に相談する必要があります。
また、たとえ腸が健康であっても体質によっては、食物繊維の多い食品を食べると下痢気味になってしまうことがあります。
いくら身体に良い食品であっても腸の状態を崩してしまっては、せっかくの豊富な栄養素も吸収されにくくなってしまいます。
オートミールが身体に合わない場合は、1回の摂取量を少なくするなど何らかの工夫が必要になります。
オートミールを日々の食事に取り入れて栄養価を高めよう
オートミールは様々な栄養素を豊富に含んでいる上に、低糖質かつ高タンパクでGI値が低く、マグネシウムや亜鉛などエネルギッシュな生活に欠かせないミネラルも多いので、極めて健康的な食品であることが分かりました。
しかしながら、オートミールは日本ではまだ馴染みの浅い食材なので、どのように調理すれば良いのか不明な点もあるのではないでしょうか。
そこで、オートミールを日々の食事に取り入れる方法について、詳しく見ていきましょう。
お湯で煮る調理法ではわずか2〜3分で作ることができる
オートミールの最も基本的な食べ方はお湯を混ぜて煮る方法で、わずか2〜3分で作ることができます。
その作り方も極めて単純で、タッパーなどの耐熱容器に適量のオートミールを入れてお湯を注ぐだけです。
乾燥していたオートミールが膨らんで、すぐにシリアルのように食べられるようになります。
また、お湯ではなく冷たい水や牛乳などを注いだ後に、レンジで2〜3分加熱することでも同じように作ることができます。
使用するオートミールの量についてですが、ダイエットや減量中は30〜50g、通常は80〜100gくらいが適切だと思われます。
米は食べられるようになるまでに1時間ほど掛かりますが、オートミールはすぐに食べることができるので、時間のない早朝やトレーニング後の食事に最適です。
ちなみに、オートミールはプチプチとしたお粥のような食感ですが、水分量を変更することでオートミールの固さを調節することができます。
オートミールはコーンフレークのような通常のシリアルとは違って、おいしいと感じるような味はほとんどしません。
したがって、好みに応じてトッピングを行うことで味を付けて、おいしく食べられるようになります。
例えば、ドライフルーツやクリーム、バナナやシナモンのようなスイーツ的な味付けをするとシリアル感覚で楽しめます。
また、ふりかけやお茶漬けの素、フリーズドライのスープなどで味を付けると、しっかりした食事の主食として食べることもできます。
オートミール自体に特徴的な味がないからこそ、自由自在に味を付けることができるというのも、オートミールの魅力であると言えます。
オートミールでヘルシーなオムライスリゾット
通常のオムライスは白米で作りますが、白米にはこれといった栄養素が含まれていないばかりか、糖質が多くてGI値も高いのであまり健康的な食材だとは言えません。
そこで、オートミールを米の代わりに活用することで、オムライスも非常にヘルシーで栄養満点なメニューに生まれ変わります。
ダイエットや減量期で食べるようにすると、満腹感を得ながらも効果的に体重を減らすことができるでしょう。
- オートミール…1カップ(80〜100g)
- ニンジン…1本
- タマネギ…2個
- 鶏肉…適量
- 塩コショウ…少々
- トマトジュース…250ml
- 水…500ml
- 鶏ガラ…大さじ1〜2杯
- 牛乳もしくは豆乳…少々
- 卵…2〜3個
- オートミールを鍋に入れる
- ニンジンとタマネギをみじん切りにして鍋に入れる
- 鶏肉を一口サイズに切って塩胡椒をまぶして鍋に入れる
- トマトジュース・鶏ガラ・水を入れる
- 火をつけて鶏肉と野菜類に火が通るまで煮る
- 牛乳もしくは豆乳と卵を混ぜて焼く
- お好みでデミグラスソースやケチャップをかけて完成
参考:クックパッド:オートミールでヘルシーオムライスリゾット
鶏のササミと卵を使った栄養満点のオートミール粥
画像引用:クックパッド:ささみと卵のオートミール粥
オートミールはお粥のようにして食べますが、どうせなら他の食材も混ぜてしっかりしたメニューにすると、栄養満点の食事を楽しむことができるようになります。
このメニューでは栄養満点のオートミールを100gたっぷり使い、さらにタンパク質が豊富なササミと卵も入れるので、バルクアップのメニューとしても活用できます。
- オートミール…100g
- 鶏のササミ…100g
- 塩コショウ…少々
- ネギ…適量
- ゴマ…適量
- しょうゆ…大さじ1杯
- 卵…1個
- 水…250ml
- オートミールと水を鍋に入れて弱火で煮込む
- 煮込んでいる間にササミを切って、塩コショウで味を付ける
- オートミールにネギ・ゴマ・しょうゆを加えて弱火でさらに煮込む
- オートミールに卵を加えてかき混ぜる
- ササミを綺麗に盛り付けて完成
オートミールとプロテインのバナナクッキーで間食
オートミールは通常の食事だけではなく、パンやクッキーなどに混ぜ込んで食べることもできます。
このメニューでは、オートミールに加えてプロテインとバナナを使用することで、栄養満点の間食を作ることができます。
調理方法も必要な材料を乗せてオーブンで焼くだけなので、簡単に健康的なおやつを楽しめます。
- 熟したバナナ…1本(80g)
- オートミール…100g
- アーモンドプードルもしくは小麦粉…30g
- プロテイン(チョコレート味)…10〜20g
- 水…大さじ1杯
- バナナをフォークの背で潰して、他の材料と一緒に混ぜる
- クッキングペーパーの上に、生地をスプーンですくって平たく乗せる
- 16枚分の生地を乗せたら、190度のオーブンで15分ほど焼いて完成
オートミールを積極的に活用して、栄養満点の食事を楽しもう
オートミールは極めて健康的な食材ですが、残念ながら日本ではまだまだ知名度が低いのが現状です。
オートミールは低糖質・高タンパクなだけではなく、様々な栄養素をたくさん含んでおり、亜鉛やマグネシウムのようなエネルギッシュな生活に欠かせないミネラルも豊富です。
特に、オートミール由来のβグルカンという物質や、マグネシウムが多くてカルシウムは少ないというミネラルバランスは、健康食品としてのオートミールの価値を大きく高めています。
オートミールのβグルカンには、悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を防ぐ効果があることが、様々な機関による研究で証明されています。
さらに、現代人は意外にもカルシウムの摂取量が多すぎる傾向にあるので、高血圧や心血管疾患のリスクが高まっています。
オートミールにはマグネシウムが多く含まれているので、ミネラルバランスの点でも理想的です。
1日にオートミールを100gほど食べると、心血管疾患を予防する効果を十分に得られることが分かっています。
ただし、オートミールはリンの含有量が多く骨密度への悪影響が懸念されるため、オートミールを頻繁に食べる場合は加工食品や清涼飲料水の摂取量を減らすことが大切です。
また、オートミールは食物繊維が非常に多いため腹持ちが良いのですが、同時に腸への負担も大きくなるので、腸の疾患がある場合は摂取量に注意が必要です。
健康的で素晴らしい食品のオートミールを活用して、健康的な食生活を楽しみましょう。